しんど

  • 震度
  • 進度
  • 深度
  • 伸度

処方せん

震度
シンド/ゆれド
進度
チンド/ツィンド/ジンド/すすみド
深度
シェンド/チャンド/タンド
伸度
ジェンド/シェンド/のびド

解説

“震度” “進度” “深度” “伸度” はすべて 度合いを示す名詞で、末尾の の字が共通しています。

このため 読みを調整するのなら の4つの字をそれぞれ「シン」ではない別の音を見つけることになります。

“伸度” と “深度” に関してはやや専門性のある語であり、文脈的に許されるなら“伸度”には ductilityダクティリティ、“深度” には depthデプス の英単語を用いるのが早いでしょう。

“進度” に対しては 近い単語で “進捗”(シンチョク) が用いられ場合もあり、この言い換えは有効です。英単語では progressプログレスを用いることもできます。

“震度” は 地震に対してその強さを言いますが、一緒によく使われる マグニチュードとは 計算の仕方が異なるため同じ意味ではありません。

“震度” はニュースで非常に広くかつ緊急で伝えなければならない状況があり、誤解の無いように「ゆれのつよさ」のように平易な表現で補足されることも良くあります。そういう意味では この漢字に安易に別の読みを与えることは安全の観点で良くありません。せいぜい「ゆれど」として訓読みするくらいでしょう。

ここまでの段階でだいたいの状況には対応できますが、“震度” 以外の「シンド」を文字入力することがよくある人には不十分でしょう。英単語に入力モードを切り替えるのはあまり便利ではありませんし、文字数が多くて入いらない状況も考えられます。

“進度” は “進捗” に対して進んだ量ではなく進む「速さ」に着目して言ったり、病気などの好ましくないものに対して用いる場合もある一般名詞ですし、“深度” に関してはカメラやディスプレイの性能比較で一般消費者でも目にする機会もあるでしょう。

もともと「シン」と読める文字は多く、  などがありますので読み替えの方法を探ることには意義があります。

の字は(ふるとり)に(にょう)が付いて 鳥と足跡を表す会意形声文字です。この字は通常日本語では「シン」としか読みません。

しかしの字を使う熟語で “進退”(シンタイ)では“身体” と “神体”、“進入”(シンニュウ)には“侵入”と“新入”、“進行”(シンコウ) では、“信仰”・“新興”・“振興”・“侵攻”・“親交”・“新港”、の ように多くの衝突があるため、この字の読み替えは効果が高いです。

中国普通話においては jin4 でありこれは「ジン」「チン」「ツィン」のような音になります。「ツィン」は入力しづらいですが、ジンやチンなら簡単で、少なくとも “進度” に「チンド」「ジンド」と読む分には衝突はありません。

ただし“進行” には “人口”(ジンコウ)、“沈降”(チンコウ)、“進退” には “人体”(ジンタイ)、“賃貸”(チンタイ) がそれぞれあるので直ちに解消できるわけではありません。よく使われる範囲の字で「ジン」だと 、「チン」だと  くらいなので「チン」だと衝突しにくいというくらいのものです。

次に出現頻度の高いであろう “深度” のの字は 普通話だと shen1(シェン)で、似た字にの字がありますが、こちらは「タン」と読みます。要するに「シン」にこだわる理由は 深くありません。

「シェン」の読みは 音声ではやや「セン」と聞き分けにくいかもしれませんが、入力は特に難しくはありません。の「タン」の方に もう少し近づけ、「シャン」や「チャン」なども考えられます。

も拼音にすると と同じshen1です。なので中国語に頼ると “深度” と “伸度” の区別はできません。ここで この字と同じつくりを持つの字が “神社”(ジンジャ) や “神器”(ジンギ)、“風神”(フウジン) など「ジン」の濁音を持っています。これにならい「シェン」から「ジェン」の読みを得ることができます。

使用されている文字

  • [1]
    シン(呉音・漢音)/シェン(shen1:普通話拼音)/
    のぶ(訓読)
  • [4]
    ド・ト・タク/トゥ↘︎・トゥオ↗︎(du4,du02:普通話拼音)/
    たび(訓読)
  • [1]
    シン(呉音・漢音)/シェン(shen1:普通話拼音)/
    ふかい(訓読)
  • [1]
    シン(呉音・漢音)/ジン↘︎(jin4:普通話拼音)/
    すすむ(訓読)
  • [1]
    シン(呉音・漢音)/チェン(zhen4:普通話拼音)/
    ふるえ(訓読)

この衝突語リストは、日本語に おいて同音異義語、あるいは文中に 単語をまたいで登場し、 聞き違いや カナからの変換時に誤変換を よく起こすものを ピックアップしたものです。

ここで示されている「処方せん」は、あまり一般的では ないものを 多く含みますが、 変換辞書に登録し 学習により上位にでるように することで 入力時の誤変換を減らす効果を期待できます。

一部特殊な拗音や別の文字種、変体かななど特殊な表記を使用する場合があり、 昭和から続く日本語のカナ<現代仮名遣い>の構成で 表記が認められていないものについては 現行の漢字変換ソフトそのままでは対応不能なものもあります。

将来的には 制度改定や 続いてシステムがアップデートされていくことが望ましいですが、キーマッピングの変更などでもある程度の調整が可能です。

その他の衝突語