かいとう

  • 回答
  • 解答
  • 解凍
  • 解党
  • 怪盗
  • 快投
  • 回頭
  • 会頭
“怪盗” “会頭” を除き、「〜スル」が付いて動詞として機能する、動作性名詞です。
“回答“や“解答”は 「回答を待つ」「解答を見る」など どちらも物質的名詞としてもよく機能します。
“快投”は主に野球、“回頭”は船の操舵の分野で使われ、“解凍”は料理などの他、コンピュータ分野でZIPなどファイル圧縮の対義語としてもよく使われます。

処方せん

回答
ウイトウ/ホイトウ/クァイトウ/ウイトフ
解答
カイトウ/カイトフ
解凍
カイトン
解党
カイタウ/カイツァウ
怪盗
クァイタオ/カイダル
快投
クァイツオ/クァイトゥオ
回頭
ウイト/ホイト/クァイト/クァイツ
会頭
クェト/ケト/クァイト/クァイツ

解説

いずれも音読みの漢字「カイ」+「トウ」の組み合わせです。

「カイ」は元々合拗音「クヮイ」と普通の「カイ」の2つがあり、これを1つにしてしまったことが衝突を増えた原因です。

の4つの字は、元々「クヮイ」という発音が 当てられていた文字です。

小文字のは入力が難しいため ここでは後の時代に できたの字を使いますが音は /kwa/と同音とします。

“会頭” と “回頭” はの 字が共通しているので、どちらかを「ケ」または その合拗音「クェ」を使うことになります。

は呉音で “一期一会”(いちごいちえ)や “会得”(えとく) などで使われる「エ」の音と、もうひとつ「ケ」の音があります。

“会社” や “社会” など非常に多くの熟語を持つため 変更は容易ではないですが、の1字のみでも使用されやすいため、 下位などとも分けることができます。

の字も「ケ」と読むことができるため、「クェ」にする方が衝突を避ける上では有効です。

の字は“回向”(えこう)の「エ」または「ヱ」や、 “回鍋肉”(ホイコーロー)の読みで知られる「ホイ」や “回紇”(ウイグル)を表す「ウイ」など中華圏と日本でそれぞれ多くの音が存在します。

“回復”vs“開腹”、“回転”vs“開店”、“一回”vs“一介”vs“一階” など他でも衝突があります。

は氷を意味するに音のを合わせたものです。

このは、漢音で「トウ」あるいは 古く呉音では「ツウ(トゥウ)」ですが、 “広東省”(カントンショウ) などの語で日本でも比較的よく知られる「トン」との読み方も持っています。

「ツウ」は   など別の字があり、「トン」では などがありますが、「トウ」に比べればかなり少なくなります。とくに「トン」に関しては熟語が非常に少ないので、違和感なく逃がすには最適の場所と考えられます。

の字は+(人) から成る文字で「トウ」また古くは「タウ」の読みをもちます。

この字の旧字体はで、(の旧字体) が元で、光の当たらない隠れ家を意味します。「トウ」の音は新旧変わらずの「ショウ」の部分から継いでいます。形が異なり音読みも違うので関連性は やや認識しづらいものがあります。

“党” というと ほとんどが 政治政党を指し、の字が無い “党首” や “党利党略” のような語もだいたいは政党を指します。“悪党” や “残党” などの政党と無関係な熟語も時々使われますが、どちらかと言うと映画や小説など少し古風な表現で、日常で耳にすることはまれです。

よって この字に関しては、現状より少し外れた音を使っても影響は限定的と考えられます。「タウ」や「ツァウ」「テオ」のように、日本語の漢字の読みに無いところを使うと効果的でしょう。は単独1文字でも よく用いられ、    など 同音の1文字 漢単語と紛らわしいことがありますが、それを避けるのにも有効です。

は “盗む” の字ですが元はの略字で、ではなくの下にです。の読みは「シェン」(xián)、「ユェン」(yàn)でヨダレを意味し、皿にヨダレを垂らす様子からなるとされます。(セン)の下部を構成もしますが、同じ意味を持ちます。

字義からすると、「トウ」の読みでは少し語感がすっきりしすぎており、もうすこしヨダレっぽさを高めても良いかもしれません。旧仮名遣いから「タウ」、そこから崩れた「タオ」「ダオ」あるいは さらに乱れた「ダル」などが考えられます。

は「トウ」と常用漢字外で「ヅ」の読みを持ちます。

“快投”は 野球の投手の投球に対する表現として主に使われますが、分野がかなり限定されています。似た言葉で“好投” などもあります。

このような一種の造語は紙の新聞などでは紙幅を節約する効果があるかもしれませんが、スマートフォンの時代となっては“ナイス ピッチング” など 字数は多くても衝突しないような語句を選択することは できます。

そのかわり、“投棄”vs“登記“(トウキ)や、“投資”vs“凍死” などでも衝突を起こすため、そちらの理由で 逃がす必要が あります。

ここでは 入力上の都合も比較的良い“快投”(クァイツオ; kwai tuo)としておきます。
「ツ」は上代日本語では「トゥ」の同音でもあるので「トゥオ」と読んでも良いです。

残り “回頭”と“回答”でが共通して重なっているため、のどちらかも動かす必要があります。

は「トウ」また古くは「タフ」があります。中国語入力のピンインではdaであったり、ハングル入力のGongjinCheongは(dap)と打つなど、ター タフ ダフ に近い扱いをされています。

の方は「ズ」または「ヅ」とも読みます。“頭巾”や“頭蓋骨”などで使われますが多くは ありません。また“音頭”(オンド)のように「ト」が濁り「ド」だけで使われたり、“饅頭”(マンジュウ)の「ジュウ」となることもあります。

これらを トウ と中間的な音をとると「ツ」や「ト」となります。

“頭蓋骨”を「トガイコツ」、“頭巾”を「トキン」、“頭脳”を「トノウ」と読んでも問題を生じず、同時に “会頭”をカイトとしても英語でkite(凧上げのタコ)としか当たりません。

“回頭”の語はあまり一般的ではないのでそのためにの字を変えてもあまり有効ではないですが、“頭首”vs“投手”(トウシュ)や“頭領”vs“棟梁”,“統領”,“投了”(トウリョウ) などもあるため、「トウ」に変わる音を積極的に使うのは有効と考えられます。

使用されている文字

  • [1]
    (旧字:會) カイ・クヮイ(漢音)/エ(ヱ)・ケ(呉音)
    フイ(hui4)・クヮイ(kuai4)(普通話拼音)
    あう
  • [1]
    (旧字:黨) トウ(呉音漢音)/タウ(旧仮名遣い)/タン・ダク゚⤻(dang3:普通話拼音)
  • [1]
    トウ(漢音)/トン↘︎=tong4(普通話拼音)/
    こおる・いつる(訓読)
  • [2]
    カイ/エ/ヱ/ウイ/ホイ
    まわ-る(訓読)
  • [1]
    ケ(呉音)/カイ(漢音)/クヮイ(旧仮名遣)/クァイ↘︎(kuai4:普通話拼音)/
    こころよい(訓読)
  • [1]
    トウ(漢音)/トウ↗︎(tou2:普通話拼音)/
    なげる・なぐ(訓読)
  • [1]
    (旧字)盜/トウ(漢音)/タウ(旧仮名遣)/タオ(dao4:普通話拼音)/
    ぬすむ・とる(訓読)
  • [2]
    トウ(呉音)/タㇷ(旧仮名遣)/タア↗︎(da2:普通話拼音)/
    こたえ(訓読)
  • [3]
    ケ・ゲ(呉音)/カイ(漢音)/ジィエ⤻(jie3/4:拼音)
    とく・わかる(訓読)
  • [2]
    トウ(漢音)/ズ(呉音)/ジュウ(唐音)/ト(慣用音)
    あたま・かしら

この衝突語リストは、日本語に おいて同音異義語、あるいは文中に 単語をまたいで登場し、 聞き違いや カナからの変換時に誤変換を よく起こすものを ピックアップしたものです。

ここで示されている「処方せん」は、あまり一般的では ないものを 多く含みますが、 変換辞書に登録し 学習により上位にでるように することで 入力時の誤変換を減らす効果を期待できます。

一部特殊な拗音や別の文字種、変体かななど特殊な表記を使用する場合があり、 昭和から続く日本語のカナ<現代仮名遣い>の構成で 表記が認められていないものについては 現行の漢字変換ソフトそのままでは対応不能なものもあります。

将来的には 制度改定や 続いてシステムがアップデートされていくことが望ましいですが、キーマッピングの変更などでもある程度の調整が可能です。

その他の衝突語