ふか

  • 不可
  • 負荷
  • 付加
  • 孵化
“付加” と “孵化” は「フカする」のように使う動作性名詞です。
“負荷” は単純名詞ですが、「負荷だ」のように形容動詞のようにも使用されます。
“不可” は主に形容動詞として使われます。

処方せん

不可
フカ/フべき
負荷
おいに/ブウカ
付加
フッカ/フゥカ/フㇷカ/フフカ
孵化
プゲ/ブケ/プファ

解説

付加・孵化・負荷・不可 は すべて違う漢字が使用されています。

の字は ひらがなの とカタカナの の元になった文字です。同様に の字もの元字です。の元になったなどは すでに壊れてイが主流になってますが、カナの歴史を破壊すると言う観点から考えれば これらの漢字を読み替えることは好ましくありません。

“付加” と “孵化” は「フカする」のように使う動作性名詞です。このうち“孵化” に関しては 虫か鳥か爬虫類か魚などを扱う事業者でなければあまり使わないかもしれませんが、時々ものの例えとして使用されることがあります。

“付加” は “付加価値” など特定の単語と結びつきやすい傾向がありますが、の「カ」が動かせないのでの「フ」を動かす必要があります。

しかしの字は呉音漢音ともに「フ」の読みしかないため、対応としては中国寄りの「フー」か、特に意味を持たない促音(ッ)か撥音(ン)を用いるかになります。

伸ばす方を撮る場合 長音記号は日本語の記述には使用しないので「フウカ」が適当と考えられますが、“風化” になってしまうのでこれを回避するなら「フゥカ」として拗音で避ける対応になります。しかし読み方には少し困るかもしれません。

その点「フッカ」であれば フッ化水素くらいしか重なるところがなく有効です。

HFなど別の書き方ができるので問題ないと考えられますが、フッ素の「フッ」はからきていて、これはもとの読みが「フツ」であるところに基づいているため変更すると関連が崩れます。したがって元の音が「フ」の時に促音化する場合は、例外的にローマ字式に習った書き方で小さいを用いて「フㇷカ」とするような工夫も考えられます。単純にするため「フフカ」でも良いかもしれません。

は “変化”(ヘンゲ)のように呉音で「ゲ」と読みます。“孵化” は「フゲ」とすることでひとまず回避できます。

ただの字はその右の旁にが用いられていて、音を共有する会意形声字です。この字は赤ん坊などが大きな人の手につかまれて持ち上げられている様を表していますが、などと共通しており、“不要”vs“浮揚”vs“扶養” などでも衝突することから、そのイメージから「プ」や「プク」などに逃しています。なのでここでも「フ」よりかは「プ」にずらした方が後々覚えやすくなると考えられます。

“負荷” は単純名詞ですが、「負荷だ」のように形容動詞のようにも使用されます。“不可” は主に形容動詞として使われます。

これにはの両方を訓読みして「おいに」(負い荷) とすると自然に回避できます。

送り仮名のないところが気になる場合 やはり音読みで解する方法も求められます。ここでの字は“勝負”の「ブ」(bu)の音もあり、ブカとすれば“不可”とは区別できますが、“部下” と紛らわしいです。

したがってこのケースでは単に「ブ」ではなく「ブウ」にしておくことが考えられます。なんとなく、クイズなどでハズレのときの「ブー」というブザー音をイメージすることができるので比較的わかりやすさはあります。

豊富vs抱負、夫妻vs負債、政府vs正負 など他のところでも多く同音衝突があるため、この「フ」はどうにかしておくと有用です。

残る “不可” ですが、他の熟語が変更されることで、これの変更は必須ではなくなります。

が動かせないため、基本的にをどうにかすることになりますが、は間にを経由して、同じパーツが使用されています。この音をもし変更するなら同時に変える必要がありそうです。ここでは置いておきます。

には訓読で 「〇〇するべき」の「べき」あるいは「べし」の読みがあります。ですので「ふべき」「ふべし」と読んでも良いかもしれません。漢文ではレ点が入いって「べからず」と読みますが、語順が逆転してわかりにくいのでそこまではしないほうが良いでしょう。

使用されている文字

  • [1]
    フ(呉音・漢音)/ブ(慣用音)/フー↘︎(bu4: 拼音)
    〜ず・せず(訓読)
  • [1]
    フ(呉音・漢音)/フー↘︎(fu4:拼音)
    つく(訓読)
  • [1]
    カ(漢音)/ジア(jia1:普通話拼音)/
    くわえる(訓読)
  • [1]
    ケ・ゲ(呉音)/カ(漢音)/クヮ(旧仮名)/フア↘︎(hua4:拼音)
    ば-ける(訓読)
  • [1]
    カ(呉音・漢音)/コ・クォ(ke3:普通話拼音)
    べし・べき
  • [1]
    フ(呉音・漢音)/フー(fu1:拼音)
    かえる・かえす(訓読)
  • [1]
    カ/(漢音)/ハ↗︎(ha2:普通話拼音)/
    に(訓読)
  • [1]
    フ(慣用音)/ブ(呉音)/フウ(漢音)/フー
    まける・おう(訓読)

この衝突語リストは、日本語に おいて同音異義語、あるいは文中に 単語をまたいで登場し、 聞き違いや カナからの変換時に誤変換を よく起こすものを ピックアップしたものです。

ここで示されている「処方せん」は、あまり一般的では ないものを 多く含みますが、 変換辞書に登録し 学習により上位にでるように することで 入力時の誤変換を減らす効果を期待できます。

一部特殊な拗音や別の文字種、変体かななど特殊な表記を使用する場合があり、 昭和から続く日本語のカナ<現代仮名遣い>の構成で 表記が認められていないものについては 現行の漢字変換ソフトそのままでは対応不能なものもあります。

将来的には 制度改定や 続いてシステムがアップデートされていくことが望ましいですが、キーマッピングの変更などでもある程度の調整が可能です。

その他の衝突語