必の字に用または要が続く組み合わせです。
“必要” は 必ず要する、“必用” は 必ず用いなければならない、の意味です。
“必用” は “必携”(ヒッケイ)、“必要” は “必須”(ヒッス) とも利用する状況は近いので、可能なら使い分けたほうが良いかもしれません。
この2語は必の部分が共通しているので区別するには要と用で読みを変えてやらないといけません。この組み合わせは “重要”vs“重用”(ジュウヨウ) 、“不要”vs“不用”(フヨウ)、“用紙”vs“要旨”(ヨウシ)、“要件”vs“用件”(ヨウケン)、“要領”vs“用量”(ヨウリョウ) など、多くの場面で衝突する相性が悪い組み合わせのため、どちらかを変更することは かなり効果が高いと考えられます。
要は古典的な読みの「エウ」や中国音を頼りとして「ヤオ」などが候補に上がります。
用は、甬 踊 涌 俑 通 痛など他の形声字の一部となっており、ここからあまり大きく逸れることは避けたほうが良いでしょう。通 痛は「ツウ」なのであまり考慮する必要はないですが、残りの字とは音を合わせて「ユウ」としたほうが覚えやすくなる可能性があります。熟語において用が甬 踊 涌 俑と かぶることはほぼありません。(“重用” に対し “重踊” という語もありますが、前後の単語も含め重なるような利用ケースは限られます。)
用と要で どちらか片方だけで良いなら要だけ対応とするほうが適切かもしれません。
より多くと衝突している“不要”vs“不用” は さらに vs“扶養”vs“浮揚” のケースのほうが選択の幅が狭く 逃がし方が難しくなります。