すみ

  • 住み

処方せん

ずみ
づみ/つすみ/カーボン
づみ/つすみ/チャコール
かど
くま/すみ
住み
すまい/すまえ

解説

すべて和語で、大きく分けて3つに分かれます。

“住み”と“済み” は 共に 「すむ」という動詞の連用形「すみ」で、連用形名詞 の単語です。(動き・流れ・歩き などと同形)

は文字は異なりますが、いずれも黒い粉末やその塊を言います。

は空間の中央ではない部分を言っており、より広い意味では「光の当たらない黒い所」ということから、と同じルーツの和語として考えても良いかもしれません。

の字は文字を見ると明らかな通り、黒と土から成り立っており、木などを燃やした後の煤(すす)を土で固めたものです。“白墨”(ハクボク/チョーク) など例外的に黒くないものにも使いますが、現代では これを用いて文字を書く機会は失われており、書道か印刷業に関わる人でなければ 使う機会はほとんどないでしょう。

このような一般から離れ専門家の道具となった文字は、入力・発音しやすい音から遠ざけるのが効率的です。“すみ”の読みを他に譲り、dumiの入力から“づみ” を成して、そこから変換でを出せれば他の「すみ」が使いやすくなるでしょう。

会話で聞く場合は 「石墨(いしづみ/セキボク)」や「墨汁(ボクジュウ)」のような具体的な熟語を用いるほうが理解しやすくなります。の「すみ」は常用漢字から追放することで十分メリットがあると考えられます。

あるいは語源である“土” からとって「つちのすみ」とし、これを短くした言い回しの「つすみ」を用いると言う考えもあります。「づみ」と「ずみ」では近代日本語では音の区別がないですが「つすみ」ならば明確に区別が可能になります。

と関連から、同じ訓読みを与える方がわかりやすいと思われます。

は“二酸化炭素” や “炭酸” 、“炭化水素” など、学生の理科や科学の世界でよく登場する字でもあります。このときは基本的に「タン」と音読みされるため「すみ」の読み方はほとんど使いませんから、それを動かしても実用上の不便が生じることは 考えにくいです。

ちなみに中国には から発案された と いう炭素の元素記号用の別の字があります。アルファベットを使用する方が国際的にも通用し都合が良いですが、 “炭素” と2文字書くよりかは画数も少なく、日本専用になることもないですから、学習の便利から言うと少し参考にする余地はありそうです。

“住み” という言い方はSNSなどを中心に 広まった言い回しで、自己紹介などで「東京住み」「大阪住み」のように使用され、古くからある「〇〇在住(ざいじゅう)」の 砕けた表現です。

“住み(すみ)”という語に似た単語でよく自宅を指して「住まい(すまい)」と呼びますが、これは動詞「住まう(すまう)」の連用形名詞です。

“住む”から“住まう”の変形は、動作の継続を表す古い助動詞「ウ」のついた形です。同形の表現に “病む(やむ)”から“病(やまい)” 、“向く(むく)” から “向かい(むかい)” 、“計る(はかる)” から “計らう(はからう)” などがあります。

ずっと住んでいるという継続的な意味と、、あるいは「澄み」などと紛らわしいことを考えれば、「在住」の代わりに「住まい」を使うのは最適な言い換えとなるでしょう。

に ついては それぞれ「かど」や「くま」という別の訓を持っています。

に ついては ほとんどの状況では「かど」「つの」または「カク」と読まれます。「すみ」は常用漢字の読み方では ありませんから、もとより積極的に使用すべきではありません。代わりにを使うほうが良いです。

は “隅田川”(すみだがわ) の「すみ」でもありますが、漢字が直接説明しているのは「虫や蛇の居る里」の意味です。はそれ自体が里であり広がりを持つ単語でありながら、意味が転化してピンポイントのと混ざってしまっています。

そのあたり周辺という意味で、川なら“川辺”(かわべ)、水なら“水辺”(みずべ) という単語がありますから、これにならって「隅辺(すみべ)」という語があってもいいかもしれません。

広がりを持たないケースでは単独の字を使う代わりに “隅っこ”(すみっこ)や、隅の方という意味で“隅方”(すみえ)という言い換えもできるかもしれません。

最後に(すみ)が残ります。

“使用済”、“処理済” など何らかの動作性名詞の後ろにくっつくことの多い語ですが、あまりにそういう使い方が多いせいか、実は この字は 常用漢字外の漢字変換で単独の「ずみ」でも出すことができます。

「インスタ映え(いんすたばえ)」「SNS映え」などを略して「ばえ」と称することがあるように、もともと連濁だった語句が略語として独立し、単独の動詞となる手法と同じで、近代的な日本語生成術の1つです。

他の音読みの「ザイ」などだとなどと紛らわしいですから、それより積極的に「ずみ」と読むほうが効率的です。

これに関しては=「ずみ」を常用漢字読みに格上げし「すみ」は外したほうが良いと考えられます。

使用されている文字

  • [1]
    ジュウ(呉音)/ツュー(zhu4:拼音)
    すむ(訓読)
  • [1]
    ボク(漢音)/モー↘︎(mo4:普通話拼音)
    すみ(訓読)
  • [1]
    (旧字:濟) ザイ(慣用音)/サイ(呉音)/セイ(漢音)/ジイ↘︎(ji4)
    すみ・ずみ
  • [1]
    タン(呉音・漢音)/タン↘︎(tan4:普通話拼音)
    すみ(訓読)
  • [1]
    カク(呉音・漢音)/ジャオ(jiao3:普通話拼音)
    かど・つの
  • [1]
    グウ(慣用音)/ユウ↗︎(yu2:普通話拼音)/
    すみ(訓読)

この衝突語リストは、日本語に おいて同音異義語、あるいは文中に 単語をまたいで登場し、 聞き違いや カナからの変換時に誤変換を よく起こすものを ピックアップしたものです。

ここで示されている「処方せん」は、あまり一般的では ないものを 多く含みますが、 変換辞書に登録し 学習により上位にでるように することで 入力時の誤変換を減らす効果を期待できます。

一部特殊な拗音や別の文字種、変体かななど特殊な表記を使用する場合があり、 昭和から続く日本語のカナ<現代仮名遣い>の構成で 表記が認められていないものについては 現行の漢字変換ソフトそのままでは対応不能なものもあります。

将来的には 制度改定や 続いてシステムがアップデートされていくことが望ましいですが、キーマッピングの変更などでもある程度の調整が可能です。

その他の衝突語