“sauce”、“source” は、ともにカタカナで「ソース」と書かれる 英語由来の普通名詞です。日本語で「ソースする」とか「ソースな」などと 別の品詞に なることは ほぼありません。
“奏す” は日本語の動詞で、ほとんどの場合 “功を奏す” の成句として現われます。 長い労苦のあとに成果を得たようなときに やや堅い表現で使われます。 “ソース” とは、長音記号ー
を使う限りは衝突はしませんが、発音上は “sauce” と “奏す” は同じです。
“sauce” は 料理にかける 味付けのための液体か それに近い粘性を持つ半液体の調味料です。主に西洋料理に のみ 用い、和食なら “タレ” “ダシ” “ツユ” か、“しょうゆ” “ポン酢” “肉汁” など もっと細かい名称が使われます。中国語訳で “sauce” は 音訳で “沙司” か または “酱油”・“調味汁” などになります。
“source” は、インターネットの普及で急速に広まった語で、情報源や 源泉という意味です。「情報源はどこか?」という問いの代替表現としては もっぱら「ソースはどこか?」と使われます。
社名やその商品名に “ソース” が含まれるような企業もあり、そのブランドを築いていた立場の方からすれば この単語は思わぬ面倒な伏兵でしょう。
“source” を 原点という意味では “origin” や その形容詞型の “original”(オリジナル) というのもありますが、こちらは独自開発したなどの意味合いを含んでおり、代替としては あまりうまく機能しません。“出典”(シュッテン) という語もありますが、“出店” “出展” の同音語があるため なかなか これも使いづらいです。
sauceと sourceが 混同されうるケースとしては、栄養や効果をうたうようなような調理レシピを扱うときに情報源を示す必要がある場合や、短い日本語の文章を英語に機械翻訳するケース、どちらかの単語を知らない相手に伝える場合などが ありえます。
発音上のsauceと sourceの 細かい違いとしては、 sauceは ɔː 、source なら ɔɚ (ただし米国英語のみ) という差があることから、source についてはその r
をとって “ソーㇿス” として表記上区別することは可能です。
sauce の方としては、その文字から “ソウス” とすることも考えうるのですが、そうすると “そうする” や “奏す” の日本語の方と衝突します。となると、発音通り「ソオス」とするか、英語のスペルに寄せて 思い切って “スォウス” “スァウス” に 変えるなどは 検討の余地はあるかもしれません。
奏
については、訓読みで “奏でる”(かなでる) というふうに読みますが、この語は古語では「かなづ」のダ行下二段活用です。(徒然草、宇治拾遺物語など)
“づ” は否定の “ず” と紛らわしいので今はうまく使えませんが、 発音の上で づ
(du)に対し「カナデュ」や「カナドゥ」のように区別できるなら「かなづ」もありえますが、清音化して「かなつ」としたほうが発音しやすいでしょう。
これにより、「そのようにした」を意味する「そうした」や、 “総じ” などとの紛らわしさの回避も可能になります。