“怒る” については「いかる」の読みがあり、基本的にこちらを使うことで衝突することは無くなります。「いかる」には仏典などの瞋
という字を そう読むことがありますが、滅多に使われませんのでほぼ無視できます。
連用形名詞となって「いかり」とした時だけ碇
や錨
(いかり:船を停留するための器具)の字が衝突する場合がありますが、これについては日常的に船を扱わなければ問題にはならず、必要な場合は「アンカー」などの別の言い方や “船錨”(ふないかり)とすれば回避できます。
“興る” は “起こる” とやまとことばでは同じ 「何かが 持ち上がる、浮き上がる」という意味ですが、興
は人が協力して同じものを動かす様子を象形したもので「町おこし」「村おこし」だとか「復興」のように、大規模な人々の活動を指していう傾向があります。
一般的な “起こる” と特に区別したい場合は 音読みで 「こうずる(興ずる)」とする方法があります。
また「興った状態にする」という意味では使役の「させる」をつけて「おこらさせる」としたものを別の形で短縮し「おこさる」という言い方もできるかもしれません。
「街を」や「村を」など一緒に使う目的語が土地に限定されるため、このタイプでは「土地を起こす」を縮めて「ちおこす」などとすることも考えられます。(“描く” を「かく」ではなく「えがく」と読むのと同じ 方式)
“起こる” に関してはベースになるものなので それ自体を変形する必要はないと考えられますが、よく使われる “怒る” と異なることを明確にしたいときは “起きる” のほうに沿って「おきらせる」「おきさせる」としたり、縮めて「おきらす」「おきさす」などの言い方も可能です。