「猛進」 は 「猪突猛進(ちょとつもうしん)」の ような 四字熟語で よく知られる 表現で 猛る進み あるいは 猛々しい進み(たけだけしい/あらあらしい) と 解釈できますが、あまり日常的に 使う ことばでは ありません。スポーツや戦乱の旧時代やファンタジー文学の分野に生きる単語です。
このような語句が一般化するのは 教育と文化の賜物と言えますが、こういう単語にはナマリや 自然発生的な誤読が 生じにくいため、ほかの読み方を使う人は 非常に少なく、無理に違う読みを当てると 途端に誰にも理解されない脆弱な変更になります。
「たける」「たけり」または「たけし」とは読めるので訓読みにはできますが、これでは四字熟語としての 活用はしづらいものになるので 簡単ではありません。
こちらを動かす場合は 元の 文字の 発音が できるだけ キープされる「モツ」熟語では「モッシン」とすることで、漢字変換で 衝突せず かつ 語感を損なうことがないように できるでしょう。
別解としては「マウシン」が考えられ、こちらは歴史的仮名遣いならば正しい表記であり時代的な重みを増すことができますし、「舞う」のような語句もあることから 発音不能な読みでもありませんから候補としては悪くありません。「マオシン」も読める表記ですが どちらかと いうと中国的な雰囲気が強くなります。
いっぽう盲
・妄
は 部首に亡
を持ち、これは「死亡」などの語句に使われ「ボウ」と読まれます。
同じ亡
がつく文字でも忘
のように ボウ と読む 極めて使用頻度が高い 別の文字もあります。
部首 単独に安定的な 音があることから、仮に読みを変更するなら 盲信・妄信を「ボウシン」とするのが一番ハードルが低いことになります。
しかし「ボウシン」には「傍心」と「望診」さらに新しくは「防震」「防振」「防浸」の ように、すでに他の単語たちが陣取っており、こちらに逃すことも うまく行きません。
よって 動かすのなら 部首として亡
を持ってはいるが、モウ のまま残すか、ボウに近い別の音で「ボン」のような読みを当てることが考えられます。幸いなことに「ボンシン」などという熟語は一般的に 無いことから、誤変換なく 移動させることが可能な読みになります。
「盲信」と「妄信」の違いについては じっくり考えれば違うものですが、あまり区別されることはありません。
何より `盲`の方は「目を亡くす」という極めて理解しやすい部首の組み合わせであるのに対し、 `妄` は女
が付くネガティブなイメージのある文字であることから、男女平等の現代的思想からすると 積極的に使用することが 忌避される漢字にあります。
よって 同じ読みを当てておいて しかし使用を避ければ 漢字変換辞書からは勝手に 下位に追いやられていくことになります。