“旗艦”は主に軍事用語で、まれにビジネスの世界でも比喩として用いられますが、利用頻度は低いでしょう。
期
と旗
は其
を 共通の音符として持つ会意形声字です。この字は「ギ」「ゴ」「キ」の音があり、とくに「キ」は今でも共通です。“基幹”の基
の字もあります。この「キ」の音を へたに触わると非常に影響が強いと考えられます。
よって間
と艦
とには別の音を当てるべきです。ここで艦
の字は監
と音を共通する形声字ですから、これも同時に動かす必要が出てきます。
監
を持つ熟語は “監視” “監査“ “監獄” “監察” などがあり、このうち“監視”は “漢詩” “冠詞” “菅氏” のような語句と同音です。この字には日本語では「カン」の読みしかありませんが、中国普通話で「チァン」「ジアン」(jian)、あるいは広東語だと「クァㇺ」(gaam)となり、また旧仮名遣いなどで「カム」表記される例が見られます。
末尾で「カム」は聞き取りづらいものがありますが、“旗艦” のように あまり日常で使われない語であれば「キカム」は文字入力としては有効でしょう。小文字のㇺ
は入力困難な字ですが、仮にローマ字入力でmmと入力して出せれば便利です。( マ行の前にッ
が付くような語は無いので "っm" になる必要がない)
間
の字には「カン」の漢音のほか、“世間”(セケン)などで使う「ケン」の呉音があります。しかし“期間” に「ケン」を使うと「キケン」となり“危険”などと重なるので これは使えません。
ほか普通話拼音に「ジエン」(jian1,jian4)などがあることから、それに近い音を または他の音との中間を とることが考えられますが、表記と発音で可能なものでは「ジェン」「ジァン」「キャン」あたりが適当でしょう。ローマ字のjen, jan なら入力も容易です。
関
(旧字:關
)は「カン」の漢音を持ちますが、これはクヮンの合拗音の旧仮名遣いをもつものです。普通話拼音では「グヮン」(guān)のように読まれます。
環
の字は普通「カン」としか読みませんが、普通話拼音だと「フワン」(huan)ですが、huは日本語だと ほぼ「フ」ですが「ク」の音を含む中間音です。大げさに書けば khu•a•n のように分解でき、このような漢字には ハ行よりカ行が使用されているものが多いです。現在の中国的な音からカナを当てると「クファン」「クハン」「ファン」「フヮン」あたりが相当します。
このとき “帰還” は「キカン」つまりkikan ですから、「カン」をkhanのように置き換えると 全体では kiKhanとなります。すると「キッハン」のようにして前の文字の方にKを内在させるようなやり方も考えられます。このパターンは例えば “奇怪” を「キッカイ」と読むなどの例に見られます。
幹
は干
の部をもつ字で同時に簡体字でも干
です。この字には「カン」の音しかなく中国語をあたってもほぼ同じです。
そのかわり「みき」という訓読があり “基幹” には そのまま「もとみき」とすることも手です。基
には「ジ」の中国読みもできますが「ジカン」では “時間”や“次官”とあたるので使えません。
1音しかないものは先にあげたような促音化で衝突を避ける方法もあります。この場合は 「キッカン」「ギッカン」が候補になります。「ジッカン」は “実感” となってしまうため こちらも「ジ」は使えません。
ちなみに 基
がつく単語は 英語で base(ベース) あるいは key(キー) ○○の形が 訳語として用いられることが多く、その方向で言い換えを考えたほうが どちらかというと聞き分けやすいです。“基幹産業” などは 「キー インダストリー」 と訳されますが 「キーの産業」と言っても おそらく問題はないでしょう。
その意味においては「キッ」は「キー」に近い間をもたらす音になるので、イメージのしやすさという観点では 悪くないかもしれません。
“器官”と“気管” に使う菅
と官
はどちらも読みは「クヮン」のもともと合拗音で、草冠が付いただけで同じ文字です。これらを区別するのはちょっと無理があります。かわりに 気
には“気配”(ケハイ)の「ケ」の読みもあることから、「ケカン」とすればこれは区別できます。
“器官”の器
の字は「キ」のほか、拼音だと「チー」(qi)の音になります。合拗音と合わせれば 区別はつけられます。