熟語にすることなく単独で「ケン」と読むことのある単語です。
「その件」などを つい「そのけん」などと打ったり読んだりしがちですが、これは「くだん」とした方が何とも衝突しません。
「くだり」とも読めますが そうすると「下り」と ぶつかるので こちらも避けた方が効率的です。
メールなどで使う「件名」を「けんめい」としてしまうと「賢明」「県名」「建明」などなど大量の同音語と格闘することになってしまうので 「くだりな」または「くだんな」として一度変換学習させておくと有効です。
この件
は 業界などにかかわらず一般的で、他のどれともよく衝突を起こします。
県
についても何かしらデータとして取り扱ったり、行政関係者や複数の府県に またがる手続きに関わる人ならよく使用する文字ですょう。これも「けん」と音読みで読むことが多いです。これは「あがた」と読むことができます。
圏
は「首都圏」とか「都市圏」など県
よりも少し大きなエリアを指して使われます。
また携帯電話が普及した2000年以降は電波の届かないエリアを「圏外(けんがい)」と読みますが、こちらもまた「県外」と重なります。(囲
の旧字は 圍
なので `圏` とは関係ありません)
常用外の読みで「かこい」と読みますが「囲い」と重なるので ここにも逃がせません。
そこで俗語として「ゾーン」や 囗(クニガマエ)に巻 なので「クニマキ」とするか、どちらかです。熟語で「都市圏」を「都市ゾーン」と読んでも差し支えないことから、「ゾーン」は使い勝手が良いです。似た語句に「エリア」というものもありますが、こちらは「地域」または単に「域」の訳語とされることがあるので、やや合いません。
券
も これも一般的な語句で、これをよく使う業種の方もいるでしょう。
こちらには「割り符」から転じた「わりふ」という常用外の読み方があります。
他に「手形」からの「てがた」という読みもありますが、一般に「手形」というと「券(ケン)」と異なり為替手形や約束手形のような有価証券に関する意味合いを持つことがあり誤解を招きます。
この単語に関しては紛らわしいせいか、近年では英語のticket由来の「チケット」と称されることが よくあり、それをさらに略して「チケ〇〇」「〇〇チケ」などの使われ方をします。
英語の元の発音では末尾の「ト」の音は子音のみで発音として聞こえにくいこともあり、そのまま転用して「定期券」とか「割引券」という読みを当ててしまっても良いかもしれません。
券
と圏
は部首は違っていますが、文字構造が似ているのでこれらには合拗音のクェンあるいはクヱン(kwen)を当てるのも1つの方法です。
腱
は「アキレス腱」などの単語で比喩としても よく使われますが、医療系の分野では使うかもしれませんが、そちらで関係者間では英語やドイツ語読みで済ますこともできるでしょう。必要な場合は「キェン」すなわちローマ字入力で kyen
の読みを割り当てて区別することも考えられます。