開
の字には「カイ」の音があり、この音しか使われません。門
の中にあり中国簡体字でもある开
の字は、両手を使って扉のカンヌキ(閂
)を ひらこうと している姿を表しています。「ケイ」と読む刑
や形
とは似ているので 覚えやすさの観点で言えば 同じ音が良さそうですが、 それぞれ字源が異なります。むしろ逆に字形を変える方が良いでしょう。
改
の字の方は呉音漢音ともに「カイ」としかならず、普通話拼音だとgai3つまり「ガイ」です。
“改行” と “開業” を区別する目的で言えば、“改行” を「ガイギョウ」としても良いですが、「ガイ」は他にも外
や害
など多数の同音字があるので 別の読みとしてはあまり便利ではありません。
どちらかと言うと行
と業
に着目した方が良いでしょう。
行
の字には多くの読みがあり、よく使われる「ギョウ」「コウ」の他に “行灯”(あんどん)や “行脚”(あんぎゃ) などで用いられる「アン」の読みもあります。しかし「アン」だと “改案” などと衝突するので良くありません。
「ギョウ」は旧仮名遣いであれば「ギャウ」とも書くことができます。あるいは、「アン」と字との中間をとって、「ギャン」とすることも1つの案です。「アン」は他にも暗
や安
など衝突が多いですが、「ギャン」は比較的 発音が容易で衝突が起こりえないため有効と考えられます。 ローマ字では gyanですが gyouとタイプ数は変わりません。
いっぽう業
の字は通常は漢音の「ギョウ」と読みますが、呉音で「ゴウ」との読みもあり、これは「業が深い」とか「宿業がある」など仏教用語で多く用いられています。訓読みで「わざ」とも読みますが これは技
を連想するので あまり区別には使えません。
旧仮名遣いで「ゲフ」や「ゴフ」と書きますので、ここから取る方法があります。「カイゴフ」だと“介護婦” のように聞こえるので あまり良くないかもしれません。
これも、複数のカナ表記の中間をとって、「ゴオ」「ギョオ」「ゲオ」「ゲウ」「ギョフ」など表記が考えられます。タイプ数と発音からすると「ゲオ」(geo)は便利でしょう。
中国普通話では 「イェ↘︎」(ye4)の音を持ちますが、違いが大きいので少し採用は難しいでしょう。