いじょう

  • 異常
  • 以上
  • 移譲
  • 委譲

処方せん

異常
イジョウ/イジャオ/イチャン
以上
イシャン/イジャン
移譲
イジョオ/イニョウ/イラン
委譲
ウィジョオ/ヰジョオ/ヰニョウ

解説

“異常” と “以上” と “移譲” “委譲” は それぞれ使う文型が異なります。

“移譲” と “委譲” は どちらも動作性名詞で、「執行権を委譲する」のように何かの役目を任せる場合には、「土地を移譲する」のように所有権を移し替える場合はの使い分けがされることになっています。

“異常” は 通常ではないこと を言う形容動詞の語幹で「考え方が異常である」のような言い方もあります、「機械の異常」などのように名詞となることもあります。

“以上” は、ある 閾値・境目に続けて それより上であることを言い「20歳以上の人」のような形容動詞を作ることもあれば「65歳以上を高齢者と呼ぶ」のように名詞としても働きます。「以上で終わります」のようにして、一番下の位置を表すこともあります。

そのため「イジョウのこと」「イジョウになります」「イジョウなら」のような続き方をする文では “以上” と “異常” の2つはよく衝突します。

この2つを区別するだけなら、の字には “上海(シャンハイ)” などで 日本でも使われることがある「シャン」の読みを使うのが簡単です。をシャンとするのは単語登録なしに出るものも少なくないでしょう。

経済や会計の用語で “計上”vs“経常” の衝突もこの「シャン」読みをすると簡単に回避できます。

は「イ」としか読みません。中国式の拼音ならyí(yi2)と書き、これをとって「ユィ」と書くか、あるいはローマ字式カナにでもすればヤ行イとして表記できるかもしれませんが発音は困難で、直ちには使用できません。yi2は後方にアクセントがあるので「ユイ」とすることは可能です。“遺言” のが「ユイゴン」と「イゴン」で読めるのと同じです。

の字は現代の日本語では「イ」としか読みませんが、古くはワ行のイ、つまり「ヰ」です。現代的な書き方であれば「ウィ」となります。中国的な読み方ではウェイ(wei)ともできます。

“委譲”と“移譲” の2つを区別するという目的であれば、“委譲” を「ウィジョウ」とするだけでもひとまずは避けられます。この字を使う機会が多い人は単語登録してしまうと “異常”や“以上” との回避もできるので楽になるでしょう。

の2つを変えれば通常の文脈では問題ありませんが、それでも“異常” と “移譲” が「イジョウだ」「で」「なら」という形なら衝突することがあります。

は通常「イ」としか読めず、これはyì(yi4)の音をつまり前にアクセントを持ち、ふつうは「イ」または「イー」くらいでしか読めません。

一方での字は「ジョウ」で、 の字も 漢音では「ジョウ」ですが、呉音で「ニョウ」が あります。

またの旧字のは中国語(普通話)の拼音はrangなのでカタカナで書くなら「ラン」「ラク゚」「ルヮン」のような書き表し方ができると考えられます。

の字にも同様に拼音ではchangであり「チャン」「チァン」「チュアン」のような発音になります。日本語の「ジョウ」に近づけるなら「ジャン」「ジァン」との音があっても良いでしょう。

また「ジョウ」の「ウ」は見せかけの文字であり、字音一致の原則を とるならば「ジョオ」という書き方もできます。

と似た字のを用いた「お嬢さん(おじょうさん)」という語句がありますが、「姉さん(ねえさん)」、「母さん(かあさん)」の並びで言うなら同じように「じょおさん」としてを使わない書き方があってもよさそうです(音読みですが)。

そのため仮に「ジョオ」の読みをどちらかに使うのなら、よりものほうがおそらく適していると言えます。

使用されている文字

  • [1]
    ジョウ(呉音)/ショウ(漢音)/シャン(唐音)/
    しやう(旧仮名遣)/シャン(shang4:普通話拼音)/
    うえ・かみ・あげ・のぼり(訓読)
  • [1]
    イ(呉音・漢音)/イ⤻(yi3:拼音)
    もって
  • [1]
    イ(呉音・漢音)/ヰ(旧仮名遣い)/ウェイ⤻(wei3:拼音)
    ゆだねる
  • [1]
    ジョウ(呉音・漢音)/ジャウ(旧仮名遣)/チャン↗︎(chang2:普通話拼音)/
    つね(訓読)
  • [1]
    イ(呉音・漢音)/ユィ(yi4:拼音)
    ことなる(訓読)
  • [1]
    イ(呉音・漢音)/イ↗︎(yi2:普通話拼音)/
    うつる(訓読)
  • [2]
    ジョウ

この衝突語リストは、日本語に おいて同音異義語、あるいは文中に 単語をまたいで登場し、 聞き違いや カナからの変換時に誤変換を よく起こすものを ピックアップしたものです。

ここで示されている「処方せん」は、あまり一般的では ないものを 多く含みますが、 変換辞書に登録し 学習により上位にでるように することで 入力時の誤変換を減らす効果を期待できます。

一部特殊な拗音や別の文字種、変体かななど特殊な表記を使用する場合があり、 昭和から続く日本語のカナ<現代仮名遣い>の構成で 表記が認められていないものについては 現行の漢字変換ソフトそのままでは対応不能なものもあります。

将来的には 制度改定や 続いてシステムがアップデートされていくことが望ましいですが、キーマッピングの変更などでもある程度の調整が可能です。

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