“風土”・“hood“・“food” は、日本語において「ふーど」と発音される単語群で、いずれも名詞です。
“風土” はカナでは「ふうど」と書きながら、この「う」は殆んどの場合は前の音と結合して「ふーど」と読みます。
“hood”・“food” は それぞれ 英語ですが、カタカナ表記ではともに「フード」が一般的です。
food は 食べ物を表わす英単語で、そのカタカナ表記の「フード」は 広範に使われており、シーフード・フードコート・ジャンクフード など複合語もたくさんあります。発音記号にすると /fúːd/ で、その「f」は唇を狭くして発音します。
hood は 覆い を表わす語で、一般的には衣服のエリの部分に取り付けたものを指す場合が多く、他にはレンジフードなどキッチン周りでも使われます。英語ベースでは馬車のホロなどもっと広い範囲で 対象から余裕を持った形で覆うもの全般を指します。発音記号では /húːd/となり、この「h」は 唇はあけたまま、喉で音を作って発声します。
h 音は 口を大きく開かないといけないので、呼気の消耗が多く連続的な発音には限界があります。日本語では ハ行のうち「は」「ほ」で特に現れ、「ひ」「へ」では怪しくなり、「ふ」では基本的に f 音が現れます。しかし比較的早期に習らう英単語で fishの「フィ」、failの「フェ」などがあることから、別の音であるともよく認知されています。
ハ/ファ、ヒ/フィ、ヘ/フェ、ホ/フォ は表記が完全に分離しているので違いは明らかですが、フ はうまくいきません。似た表記で「フュ」はありますが、出現頻度は少なく、どちらかと言えば「ヒュ」のほうが、“ヒューマン”(human)・“ヒューズ”(fuse)・“ヒューストン”(Houston) など多く現われ /hju/ /fju/ は ほぼ区別されません。
この問題が起きるのは フ
をf
にあたる子音のように用いながら、h
にはそのようなパターンを用いないという整合性がないことが原因です。
根本的に整理するには ローマ字式カナのように fの規則に合わせてカタカナ語を ハ
ヒ
フ
ヘ
ホ
で書くのを廃し、 h音は ホァ
ホィ
ホゥ
ホェ
ホォ
と記し、f音は ファ
フィ
フゥ
フェ
フォ
を使うなどが考えられます。
フ
に相当するh音を別の字で表現することも考えられますが、ひらがなで あれば 布から作られた変体仮名の「𛂲」なども ありますが、問題となるのはカタカナ語であるので カタカナがない変体仮名ではどうにもなりません。