ひっし

  • 必至
  • 必死

処方せん

必至
ヒッチ/ヒットウ(必到:書き換え)
必死
ヒッシ/ヒツシ

解説

“必死” は文字だけ見ると必ず死んでしまうという恐ろしい状態ですが、実際は「死にそうなほど」という誇張表現に過ぎませんが、良く使用されます。

対する “必至” とは、「必ずその状態になっていくだろう」という予言めいた言葉です。こちらは別に死を予言しているわけではありません。

の漢字は「いたる」と読み、この漢字は弓矢の矢が刺さる的(マト)を表すと言います。

似た文字に “致す”(いたす) というのも有ります。こちらは“する” の謙譲語になりますが、この漢字の音読みは「チ」です。

の字は日本語では「シ」としか読みませんが、中国語の拼音では「チ↘︎」(zhi4)となり、どちらかといえば「シ」より「チ」とした方が両方の面で都合が良いと言えます。

などを構成する部品でもありますが、音を共有していません。音が変わってもあまり影響が出にくいと言えます。

もうひとつちょっと裏技に近いやり方ですが、「いたる」には “到る” という字もあります。

こちらは到着(とうちゃく)のように「トウ」と読みます。の字の右の旁はは「りっとう」と呼ばれ(かたな)と同じ意味で、この字の音読みを引き継いでいます。矢のマトの横に刀を持つ人がいるかいないかの差で、実質あまり違いはありません。

ですから “必至” の代わりに “必到”と書いて「ヒットウ」と読む事にしてもほとんど同じです。

“必至”の方が動けば “必死” の読みはそのままでも良いですが、両方の単語をよく使う人は “必死” も変えたいと思うかもしれません。

しかしに関しては「シ」の他に動かしようがありません。凍死や餓死や焼死など、基本的に濁音がつくこともありません。ですので “必至” と区別するためには の方に手を入れる方法しか取れません。

この場合 選択肢としては “必死” を「ヒツシ」として促音(っ)を用いず単語登録しておくなどが考えられます。

使用されている文字

  • [2]
    ヒツ(漢音)/ビ↘︎(bi4:普通話拼音)/
    かならず(訓読)
  • [1]
    シ(呉音・漢音)/スウ⤻(si3:普通話拼音)
  • [1]
    シ(呉音・漢音)/ツㇶイ↘︎(zhi4:普通話拼音)
    いたる(訓読)

この衝突語リストは、日本語に おいて同音異義語、あるいは文中に 単語をまたいで登場し、 聞き違いや カナからの変換時に誤変換を よく起こすものを ピックアップしたものです。

ここで示されている「処方せん」は、あまり一般的では ないものを 多く含みますが、 変換辞書に登録し 学習により上位にでるように することで 入力時の誤変換を減らす効果を期待できます。

一部特殊な拗音や別の文字種、変体かななど特殊な表記を使用する場合があり、 昭和から続く日本語のカナ<現代仮名遣い>の構成で 表記が認められていないものについては 現行の漢字変換ソフトそのままでは対応不能なものもあります。

将来的には 制度改定や 続いてシステムがアップデートされていくことが望ましいですが、キーマッピングの変更などでもある程度の調整が可能です。

その他の衝突語