ぼうと (ボート)

  • 暴徒
  • boat
  • vote
“暴徒” はある属性を持つ人を示す日本語の普通名詞、
英単語 boat は小舟を表す名詞、vote は投票を指す動詞または名詞です。

処方せん

暴徒
ボウト/ボウド/ボウヅ/ボウデュ
boat
ボート/ボウト/ボウㇳ
vote
ヴォート/ブォウト/ヺウト

解説

日本語で「ボート」「ボウト」のように発音される複数の語です。

“暴徒” は日本語の普通名詞で、暴動を起こす人やその集団を示します。通常 これは漢字で書くので 書き言葉で衝突することはありませんが、発音すると他の語と ほぼ同じになります。

“boat” は 英単語で小舟を表わす普通名詞で、“ボート” とカタカナ表記され、ボートレースなどスポーツ競技などによってか 一般に広く浸透しています。

“vote” は 投票を表わす動詞または名詞ですが、日本人が発音で boat と区別することは めったに ありません。多くの場合、これは boatと同じくカタカナで「ボート」と表記されます。

表記上で混同しうるのは ともに “ボート” と書かれる vote と boatですが、boatに関しては 使う場面が 同じになることはほとんど無いでしょう。「お気に入りのボートにボートしよう」などと なかばジョークで 使われるかどうかと いうくらいです。

“暴徒” と “vote” は 選挙関連のニュースなどで、多少文脈としては離れるものの、かするくらいのことはあるかもしれません。選挙で投票所や政治家の演説場所に暴徒が現れたなどの報道は ときおりある話です。

vote という語は 2000年ごろから 海外製のウェブサイトなどで 気に入ったものを高評価するシステムがあることなどから 徐々に日本国内にもこの語を採用する例が浸透しています。またアメリカやイギリスなど英語圏の選挙関連報道映像で しばしば見られます。2007年くらいから「ボートマッチ」のような投票先診断ウェブサイトが日本の国政選挙でも展開されるようになり、この「ボート」表記が広がりを見せるようになってきています。

スペルからすれば voteは “ヴォート” とするのが 慣例的に最も自然です。英単語の v に対応するカタカナ表記としてを用いるのは、別に英語の発音を正確にするかどうかは重要でなく この例のように意味が紛らわしい単語を 明確化することに意義がありますが、簡便さのために バビブベボを使うものが 少なくありません。なかには「えらぼーと」など造語成分として 英語であることさえ 分からなくなるような使い方も見られます。

に濁点を付けてとすることに違和感があるなら、“ヴォ” の 代わりに “ブォ” とすることも考えられます。 v が f の有声音であると考えれば この表記は論理的に自然です。 小さいを使うのさえも嫌なら、に濁点を付けて “ヺート” と書くことも考えられます。この表記はが広まる前の時代に用いられた記法のひとつです。

漢字の “暴徒” は 文字上は ほかと 衝突することはないのですが、発音が問題となります。

は 一般的な音読みは「ト」のみです。古典的には「ヅ(ズ)」の読みがあり、“徒刑”(ズケイ)・“徒罪”(ズザイ) の語があります。濁音化して「ド」と読ませることもできます。字形からイメージしづらいですが、を含む形声字とされます。

「ボウド」だと “board” と紛らわしいので「ウ」をはっきり読む必要があります。「ボウヅ」だと “坊主” と紛らわしいので、こちらは「ヅ」と書きつつも「デュ」(/dju/) や「ドゥ」(/du/) のようなやや変則的な発音が必要な可能性があります。

使用されている文字

  • [1]
    ズ(呉音)/ト(漢音)/ヅ(旧仮名遣)/トゥ↗︎(tu2:普通話拼音)/
    いたづら・あだ・かち・ともがら・ただ(訓読)
  • [1]
    ボウ(呉音)/バク(慣用音)/バオ↘︎(bao4:普通話拼音)/
    あばれる・あばく(訓読)

この衝突語リストは、日本語に おいて同音異義語、あるいは文中に 単語をまたいで登場し、 聞き違いや カナからの変換時に誤変換を よく起こすものを ピックアップしたものです。

ここで示されている「処方せん」は、あまり一般的では ないものを 多く含みますが、 変換辞書に登録し 学習により上位にでるように することで 入力時の誤変換を減らす効果を期待できます。

一部特殊な拗音や別の文字種、変体かななど特殊な表記を使用する場合があり、 昭和から続く日本語のカナ<現代仮名遣い>の構成で 表記が認められていないものについては 現行の漢字変換ソフトそのままでは対応不能なものもあります。

将来的には 制度改定や 続いてシステムがアップデートされていくことが望ましいですが、キーマッピングの変更などでもある程度の調整が可能です。

その他の衝突語